侍ジャパン ありがとう!

盆地ではチラホラと桜の花や桃の花が咲き始めて、確かに今年もまた春はやってきました。嬉しい限りです。
それと、花粉もすごいですけどね。くしゃみと涙にてんてこまいで本当に困ってしまいます。
でもそれだって生命のいぶきと思えば、なんかダイナミックに感じられる。人がどんなに進化しても、どこまでも自然の中にいるんだってことでしょうか。

地球規模の自然や、人類の歴史から比べれば1人の人間の時間など本当に瑣末なものに感じられる、1人の人間ができることなんか些細なこと、特に何の取り柄もない一般ピープルならなおさら、とかなんとか鼻をかみながら考えていたのですが、それでもやはり人が魅せる生き方ってなんと素晴らしいのか、と思わずにはいられない日々が続きました。

みなさんご存知、侍ジャパンがWBCで優勝しました!

本当に素晴らしい結果です。おめでとうございます!そして、ありがとうございました!
日本チームが優勝して、心の底から感動しました。これはまさに歴史的な出来事のような気がしています。大昔にベーブルースがいてその試合を見た、とかいわゆる語り継がれてきた伝説を今自分が体験しているのだと思うわけです。
大谷翔平という伝説は教科書にのるレベルなのですから。だって、ベーブルースが偉人伝に加わっているなら彼もそうなって然るべきでしょう。とにかく、大谷はすごかったし、他の選手、監督、通訳、コーチ、ファン、相手選手全ての人が素晴らしかったです。ここ数日馬鹿みたいに興奮して、そして、醒めません。

彼らが勝ったことが自分のことのように嬉しいとかじゃなくて、私自身が好きなこの国を背負って命懸けで戦う彼らの姿に敬意と感謝を思わずにはいられない、プライドをかけて戦う彼らが同じ国と言うだけだけど言い知れぬ誇らしさが込み上げて来るのです。これは他の国の選手ではその国の人たちが同じように感じていることでしょう。どのチームも全力で戦っていました。その戦う姿を見せられるだけで伝わるものがあるのだと思います。それってやはり人の力そのものではないでしょうか。
それに、今回のWBCは「ストーリー」いや「ドラマ」が詰まりすぎていたんですから、何か人の力を超えるものすら感じてしまいますよね。

例えば、準決勝の日本対メキシコ戦。休日だったのでリアルタイムで見ていた方も多いと思いますが、あの展開はもう「王道」のドラマですよ。ご存知の通り村上のサヨナラタイムリーで決着がつくのですが、その打席に至る村上自身の中々結果を出せない苦しみもそうですし、彼を信じ抜いて打席に立たせ続けた栗山監督の心意気も本人達の証言を聞けば聞くほど魅せられずにはいられません。試合展開自体も3点突き放されたのを吉田の一振りで追いつき、でも直後に2点も返されて、もうダメかもしれない、と思わせながら頑張って1点返すのだけど相手も強くてとうとう最終回に至るわけです。どちらも負ければそこで今大会は終わり。メキシコの抑えはトップメジャーリーガー。そこでむかえるは大谷ですよ。しっかり打つんですからさすがです。ベースの上から感情剥き出しで鼓舞する姿はうむをいわせず魅せるものがあります。

次の吉田は怖いバッターですから、四球になるのも無理からぬこと。メジャーリーガーでもWBCの1点差の抑えは緊張するのでしょう。そこで次に打席に立ったのが村上です。全然打ててない村上。バントもあるだろうし、代打だってあります。そちらの方が確実かもしれない。安全なのかもしれない。

でもそうなりませんでした。そして、あの素晴らしい結果になったのです。何度見ても鳥肌が立ちますね。
そして、あの決勝戦のアメリカ戦。村上が打つ、若手の投手陣が獅子奮迅の活躍でつなぐ、岡本が今度ばかりはとホームランで勝ち越す。そして、チームを支えてきたベテランで、もはやキャプテンのようであるダルビッシュ有が登板し、苦しいながらも1点差で最終回を迎えるわけです。ピッチャー大谷、背番号16。投打二刀流の生ける伝説の男が満を持してマウンドに上がるわけです。メキシコ戦と立場が逆なわけですよ。と言うことは、逆転だってあり得るわけです。ダイジェストで見ればいいところだけしか映らないから危なげなく試合が進んでいるように思えますが、最終回に至るまでに何度もアメリカにチャンスはあったんです。あと一振りあったらリードしていてもおかしくない展開ではあったんです。それに、日本だってメキシコに最終回で逆転している事実もあるわけで、アメリカが逆転してもなんら不思議はないわけです。

しかし、事実は小説よりも奇なり、勝利の女神、野球の神様はいた、いや、全力で限界で余裕もなく一生懸命戦う中に、ある種の必然の形でそこに舞台が整うのでしょう。
誰もが望んだ夢の対決、妄想の中にだけあるような場面、もしも見れたらいいのにな、が実現してしまうのです。

そう、大谷vsトラウト!

最後の打者はチームメイトであり、アメリカチームのキャプテンであり、偉大な打者でもあるトラウト選手なんだから、本当に筋書きがあると思われてしまうくらい出来すぎた場面が、現実にそこに成り立ったわけです。この戦いに魅せられない人はいないでしょう。
結果はご承知の通りです。日本優勝、おめでとうございます!
素人の私にでもわかるくらいの名勝負でした。もともと抜きんんでた人達が集まって、一人一人がチームのために全力を尽くすとこれだけ素晴らしい何かが生み出されるんだ、そう思わずにはいられません。源田は指骨折ですよ。信じられません。そして、選手の口から栗山監督の話を聞くたびに、また本人の口からその想いを聞くたびに、人間の力はここまですごいのか、と感服してしまいました。
そして、最後ですが、彼に対するこの気持ちを白状せずにはいられません。ヌートバー、いや「たっちゃん」の存在です。彼の存在を見るだけで、私はなんだか心が洗われる気がしたのです。あの笑顔、特にお母様の久美子さんといる時の彼の心から笑える笑顔は、だいぶ燻って黒く垢汚れた私の心にも届いて、なんだか素直って素晴らしい、と感じさせたのですね。あと、久美子さんのキャラはすごい、の一言です。あんな素直な感情を久しぶりに目の当たりして魅せられました。本当に素晴らしい家族ですよね。あなたは私の誇りよ、と言っていた彼女と彼女の息子の関係性はこれ以上はない、本当に人間の最大限の賛辞で称えるべきものだと、大袈裟ではなくて思ったのでした。

それではまた!

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