ギターといえば「6本の弦」というイメージが定着しています。
実際、世界中で最も一般的に使われているギターは6弦仕様です。
では、なぜギターは6本の弦を持つようになったのでしょうか?
🎶 ルーツはリュートやビウエラ
現代ギターのルーツをたどると、中世からルネサンス期にかけてヨーロッパで広く使われていたリュートやヴィウエラといった弦楽器に行き着きます。
これらは複数の弦(またはコース=複弦)を持っており、4本から10本以上まで幅広い種類が存在しました。
特に16世紀頃のヴィウエラは6コース(12弦)仕様が多く、のちにスペインで「6弦の単弦ギター」へと発展する重要な過程となりました。
🎶 18世紀後半に「6弦ギター」が標準化
現在の形に近い「6本弦ギター」が広まったのは18世紀後半から19世紀初頭にかけてです。
それ以前には5コース・ギター(10弦)が主流でしたが、よりシンプルで演奏しやすい形として「6本の単弦」が定着しました。
この変化には以下の理由が挙げられます:
- 単弦の方がチューニングが安定しやすい
- 演奏技術がシンプルになり、音楽表現の自由度が増す
- 和音やスケール演奏に十分な音域を確保できる
🎶 音域のバランスと実用性
6弦ギターは、低音から高音までおよそ4オクターブ弱の音域をカバーします。
- 低音はE(ミ)から始まり
- 高音は22フレットの音まで届く
この音域は、メロディ・和音・伴奏のすべてを1本の楽器で演奏するのにちょうど良く、音楽的に非常に実用的でした。
もし弦の本数が少なければ表現力が制限され、多すぎれば調弦や演奏が複雑になりすぎる。
6弦はそのバランスの良さから「黄金比」のように広く定着したといえます。
🎶 その後の発展
もちろん現代には7弦・8弦ギターや12弦ギターなども存在します。
特にジャズやメタルでは低音を強化するために7弦・8弦が使われることも多いです。
しかし「標準」として最も普及しているのは、依然として6弦ギターです。
🌟 まとめ
ギターが6弦になったのは、歴史的な楽器の進化の中で「扱いやすさ」と「音域のバランス」がもっとも優れていたからです。
このシンプルで実用的な設計が、世界中に広く愛され続けている理由といえるでしょう。
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