晴れたり雨が降ったり時に嵐になったり、春は天気が変わりやすいですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?5月になって緊急事態宣言がまた発令された地域があったり、新型コロナにさらに変異種が流行ってしまったり、オリンピックが迫っているけどコロナは収まる気配がありませんね。山梨県内でも感染者の数が二桁台になるのが当たり前になってしまっているので、子供達のことを考えてなるべく人の多いところに行かないようにしているのですが、子供達はどこにも行けないことに不満顔です。来年はコロナウイルスがなくなっているかもね、なんて言っていて慰めていたのがもうあっという間に1年経ってしまって、さすがに気休めの言葉に子供も納得しない様子で、どこか連れていっての大合唱です。
それで、代わりと言ってはなんですが、ゴールデンウィークは親父が腕によりをかけて子供達の好きなメニューを毎昼毎晩作ってあげたと言う訳です。ハンバーグに水餃子にマグロの竜田揚げにチキンステーキ、手羽元のさっぱり煮とこんにゃく、エビフライとタルタルソース、冷蔵庫が空になるまで作り上げたんです。結構頑張ったんですよ。しかし、お腹の満足した彼らはさらに親父をこき使うのでした。
「楽器を作って!」
そう、長男は今工作に夢中で架空の作品展に出すものを作るのに必死です。どこでやるのかわからない自分の展覧会に必死に追われているのを見ると微笑ましいと思うのですが、無茶な制作を依頼される方としてはたまったものではありません。でも、どこにも連れて行っていない負い目を感じる親父としては、無碍に断るわけにはいきません。それに、相手は子供ですから、楽器制作も子供騙し、音なんか出なくていいのです。本物の楽器なんて作れるはずもないのですからそこまで気負う必要もなし!新聞広告を材料に適当に作ります。まずはトランペット。広告を長く丸めて、セロテープでつなげてくるっと一周輪を作り、紙をクルクルと円錐にして作って一方の端にくっつけたらマウスピースの出来上がり。反対の端にはもちろんラッパのあの形を作るのですが、紙を丸めるだけではなんとなく味気ない。そこまで作っていると一丁前に新聞広告楽器職人の意地と遊び心が芽生えます。細く切った広告を何本もつなげて、骨組みを作り、それに細い紙を貼り付けて、なんとなくラッパの形を作ります。最後に、指を乗せる場所を三箇所作るんですが、それも押せる感触があった方がいいと思って、紙を何度も折り曲げてバネを作りボタンに貼り付けて筒の中に忍ばせれば、感触はまるでトランペット!!!なんて雰囲気で仕上げにかかります。ボタン部分を作った長男も結構満足そう。あれやこれやでちょっと大きいけどトランペットの完成です。制作時間は1時間くらい。まあ、新聞広告楽器職人の腕にかかればこのくらいわけはありません。しかし、新聞広告楽器の寿命はとても短いのでした。
30分もしないうちに兄弟で取り合いが始まり、気がつけば三男がバラバラにしていました。儚い命なんです。無邪気な笑顔でバラバラにしている三男の満足そうな顔に快く頷き返せなければ新聞広告楽器職人は務まらないのです。ええ。そして、新聞広告楽器職人の仕事の依頼はまだ終わりません。翌日はトロンボーン!ええ、もちろん可動式。動かなければトロンボーンじゃない!とそんなところにこだわるのが新聞広告楽器職人なのです。そして、あれやこれや、1時間くらいでトロンボーンが完成!そして、1時間もしないうちにバラバラにされていました。トロンボーンは構造上バラバラにしやすのがネックなんですね。
妻から「3台作れば」と無慈悲な忠告がありましたが、同じものは二度作らない、それが新聞広告楽器職人のプライドなのです(だって、結構大変なんだ)。そんなこんなでアコースティックギターを作ったりエレキギターを作ったりしては(ダンボールも使いました)、ことごとく子供達に破壊されるのでした。やっぱ、新聞広告とかではそんなもんです。そして、ゴールデンウィークが終わって依頼されているのが「バラライカ」。知ってますか、バラライカ?三角形のギターみたいなロシアの楽器です。もうバラライカという名前を聞いただけで、新聞広告楽器での運命を匂わせているあの楽器ですよ。
でも、やっぱり作ってしまうのが、新聞広告楽器職人なのです!
ではまた!
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