今回は、前章で少し触れた「声楽」について掘り下げていってみようと思います。声楽はもちろん声ですから体一つで表現できます。歌ってみると分かりますが、高い音域低い音域、裏声を使ったり、強弱をつけたりと表現の幅は広いです。そして、実は声だけではなく手を叩いたり、太ももを鳴らしたり、足でタップを踏む事でもリズムを作り出せます。これだって体一つで表現できます。
音楽は体があれば生み出せますから、「音楽」をするにあたり何も道具を使う必然性はなさそうです。やはり、「声楽」と「器楽」では声楽、もしくは体を使ったリズムが最も初めに行われた音楽と考えるのが妥当な気がしますがどうでしょう?
ちなみに、「音楽」と言う行動だけ考えると、ヒト以外ではあまり存在しないようです。鳥ではよく鳴き声が「音楽」的ですが、求愛とか威嚇とか生活必需品の様相で、芸術と言う意味ではなさそうです。ヒト以外ではコミュニケーションの道具なんでしょうね。
では、「歌」はどのようにして生まれたのでしょうか?例によってこれも確実な答えを知る人はいませんので、色々な考えがあります。鳥のように「コミュニケーション」が発展して「歌」になったのでしょうか?
これに関して面白い事があります。実は人が話すときと、歌うときとでは脳の使い方が異なっているそうです。一般的に話すのは「左脳」で、歌うなどは「右脳」の働きによるそうです。左脳が損傷して話す事が出来なくなった人でも、右脳は損傷していないので歌う事は出来る事例があるそうです。こう考えると、「話す」と言うコミュニケーションツールと「歌」とはまったく別のものであると言えそうですね。
歌うことは誰かに何かを伝える事のような気がしていましたが、自分自身にとって考えるとそれだけではない何かがあるのかもしれません。
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