私たちは音楽を“聴く”ものとして感じていますが、実は古くから「音には色がある」と言われてきました。
音と色彩の関係を科学的・感覚的な両面から見てみると、音楽の感じ方が少し変わるかもしれません。
🌈 音と色のつながり ― 古くからの考え方
17世紀、物理学者のアイザック・ニュートンは「光のスペクトル」と「音階」を関連づけようとしました。
彼は7つの虹の色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)と、7つの音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)を対応させ、
「色と音は同じ振動の性質を持つ」と考えたのです。
もちろん科学的に同一ではありませんが、どちらも波(振動)として存在することは共通点です。
この考え方が、後に“色と音のアート表現”へとつながっていきます。
🎨 作曲家たちが感じた“音の色”
クラシック音楽の作曲家の中にも、「音に色を感じる」と語る人は多くいました。
代表的なのがロシアの作曲家 アレクサンドル・スクリャービン(1872–1915)。
彼は音階ごとに色を対応させた「光のピアノ」を構想し、実際に演奏と光を組み合わせた作品を発表しました。
また、リムスキー=コルサコフも「ニ長調は金色、変ホ長調は青みがかった色」というように、
調性ごとに特定の色を感じていたと言われています。
これは“共感覚(Synesthesia)”と呼ばれる現象で、音を聞いたときに自動的に色や形が頭に浮かぶ感覚です。
実際にこの感覚を持つ音楽家は少なくありません。
🔬 現代の研究 ― 脳がつなげる「音」と「色」
最近の脳科学では、音と色の関係は“共感覚的な脳の結びつき”として説明されています。
つまり、音を処理する脳の領域と、色を感じる視覚領域が連携しているということ。
多くの人が「高い音を明るい色」「低い音を暗い色」と感じる傾向もあり、
これは人間の共通した感覚的反応だと考えられています。
たとえば:
- 高音 → 黄色や白などの明るい色
- 低音 → 黒や紺などの深い色
音楽を聴いて「この曲は温かい色を感じる」などと思うとき、
それは自然な感覚なのです🎶
🧠 音楽表現に生かされる“色彩感覚”
この“音の色”の感覚は、アーティストやプレイヤーにも大切なヒントになります。
演奏の表現を「柔らかいトーン」「透明感のある声」など“色のイメージ”で考えると、
より豊かなサウンド表現につながります。
たとえば:
- ボーカルなら「青空のように広がる声」
- ギターなら「夕焼けのような温かい音」
そんな感覚的な言葉を持つことで、音作りがぐっと楽しくなるでしょう🌇🎸
🎵 iB MUSIC STUDIO & Schoolでの“音の色”体験
スタジオでは、環境によって音の響きや印象が大きく変わります。
壁や床の素材、マイクの位置、アンプの特性によっても“音の色”は変化します。
自分の音の変化を感じ取りながら、まるで絵を描くように音を作っていく――
そんな体験こそ、スタジオ練習の醍醐味です。
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