音楽の起源を探る!Part11

今回も雅楽に使われる楽器を調べていきましょう。以前「三管」「三鼓」をご紹介しましたが今回は「両弦」を調べてみましょう。 両弦(りょうげん)とは楽琵琶(がくびわ)と楽筝(がくそう)の二つの弦楽器の事です。

琵琶と言えばあの「耳なし芳一」で有名な琵琶法師が演奏に使う楽器ですね。琵琶は4本の弦をバチで弾いて演奏を行う「撥弦楽器」です(ちなみにバイオリンなど弓を使うものは「擦弦楽器」と呼ばれています)。歴史は古く琵琶の起源は中東にあるようで、それがアジアに伝わり琵琶に、ヨーロッパに伝わるとリュートにになったようです。琵琶もリュートも琵琶法師や吟遊詩人に使われた弾き語り(まさにものを語る)に使われたのが面白いですね。

ちなみに、5弦の琵琶が正倉院にあるのですが、こちらは世界に残る唯一の古代琵琶です。世界で広く普及している楽器の最古のものが日本にあるなんて素敵ですね。また、「日本最大の淡水湖」であるあの有名な琵琶湖の由来ともなっています。

もう一つの筝は13本の弦糸を用いた弦楽器で、一般的にはならない「こと」と呼ばれています。「こと」には「琴」という漢字がありますが、実は「筝」と「琴」とは違う楽器なんです。同じような姿形をしている両者ですが、その違いは弦と本体の間にある柱で音程を調節するか(筝)、指の抑える位置で音程を調節するか(琴)の違いだそうです。

良家のお嬢さんが和服を着て演奏するのが嗜みというイメージの楽器ですがそのルーツは江戸時代にあるようで、当時は盲人音楽家の専売特許であり一般人が演奏することが禁止されていたようです。ですから大衆化しませんでした。なので、高貴な音楽として使われ武家社会ではアマチュア音楽として子女の嗜みの扱いになったわけです。そのかわり大衆化されていったのは三味線のようで、こちらは各地方で色々な特色が出たのが面白いですね。

さて、雅楽の重荷使われる楽器は紹介してきましたがいかがだったでしょうか。興味が出たら是非聞いてみてください。

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