アコースティックギターでライブをするときに欠かせないのが、ギターの音をアンプやPAへ送るためのピックアップです。
楽器店では最初からピックアップが搭載された「エレアコ」が数多く販売されていますが、一方でお気に入りのアコースティックギターに後からピックアップを取り付ける方法もあります。
実際、私自身も使用しているアコースティックギターには、L.R.Baggsの後付けピックアップシステムを使用しています。
では、
「最初からエレアコを買うのと何が違う?」
「ピエゾ、マグネット、マイクって何?」
「後付けの方が音が良い?」
今回はアコースティックギター用ピックアップの基本を、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。🎵
🎤 そもそもアコギの「ピックアップ」とは?
アコースティックギターは、そのままでもボディから音が鳴ります。
しかしライブ会場などで、その音を大きなスピーカーから出したい場合には、ギターの音を電気信号として取り出す仕組みが必要になります。
そこで使われるのがピックアップです。
現在のアコースティックギター用ピックアップには、いくつか代表的な方式があります。
|
方式 |
どのように音を捉える? |
主な特徴 |
|---|---|---|
|
ピエゾ系 |
弦やブリッジ周辺から伝わる振動 |
安定した収音がしやすい |
|
マグネティック |
磁力を利用して弦の振動を検出 |
サウンドホールに装着する製品が多い |
|
コンタクト系 |
ギターの表板などの振動 |
ボディの振動を反映しやすい |
|
マイク |
空気やボディ内部の響きを収音 |
アコースティックらしい空気感を得やすい |
|
複合型 |
2種類以上を組み合わせる |
それぞれの長所を組み合わせられる |
それぞれに得意・不得意があり、「この方式が絶対に一番」というものではありません。
演奏スタイルや使用する会場によっても適したものは変わります。
🔌 最初から搭載されている「エレアコ」
一般にエレアコと呼ばれるエレクトリック・アコースティックギターは、購入した時点でピックアップやプリアンプなどが搭載され、アンプやPAへ接続できるよう設計されています。
大きなメリットは、やはり最初からシステムとして完成していることです。
例えばTaylorでは、長年採用されてきたES2がピックアップと専用プリアンプを組み合わせたシステムとして設計されています。現在は新しいClariaシステムも登場しており、こちらはアンダーサドル・ピエゾと専用プリアンプを組み合わせています。
ギター本体に、
- 音量調整
- EQ
- チューナー
などが搭載されているモデルもあり、ライブではケーブルを接続してすぐに使いやすいのが魅力です。
エレアコのメリット
◎ 購入時からライブで使いやすい
◎ ピックアップを別途選ぶ必要がない
◎ 本体側で音量・音質を調整できるモデルも多い
◎ 後から大きな加工をする必要がない
一方で、搭載されているピックアップシステムも含めてギターを選ぶことになります。
生音はとても気に入っているけれど、
「ピックアップの音は自分の好みと少し違う」
ということもあり得ます。
🔧 気に入ったアコギに「後付け」する方法
もう一つが、通常のアコースティックギターに後から好みのピックアップを取り付ける方法です。
こちらの大きな魅力は、
好きなギターと好きなピックアップを組み合わせられること。
例えばL.R.Baggsだけを見ても、アンダーサドル、サウンドホール・マグネティック、ブリッジプレートに取り付けるタイプ、マイク、複数方式を組み合わせたタイプなど、さまざまな選択肢があります。
「このギターの生音や弾き心地が好きだから、ライブでも使いたい」
という場合に、後付けピックアップは非常に有効な選択肢です。
🤔 後付けピックアップは今の主流?
ここは今回、正確性を重視して補足しておきたいポイントです。
個人的な感覚としては、ライブをするアコースティックギタリストの間でL.R.Baggsなどの後付けシステムを目にする機会はかなり多いと感じています。
ただし、
「現在は純正エレアコより後付けピックアップの方が市場シェアが大きい」
と断定できる信頼性の高い市場データは、今回確認した範囲では見つかりませんでした。
実際にはメーカー純正のピックアップシステムも広く普及しており、一方でL.R.Baggsなどからも多数の後付けシステムが現在販売されています。
そのため、
純正エレアコと後付け、どちらも現在広く使われている
と考えるのが適切でしょう。
🎚️ 「ピエゾ+マイク」のミックスって何?
後付けピックアップを調べていると、
「ピエゾ+マイク」
というシステムを見かけることがあります。
これは文字通り、異なる方式で拾った音を組み合わせる方法です。
代表例の一つがL.R.Baggs Anthem。
Anthemでは、アンダーサドルのElementピックアップと、ブリッジプレートの裏側に取り付けるTRU•MICを組み合わせています。
ここで重要なのは、
ピエゾとマイクを単純に50:50で混ぜているわけではない
という点です。
Anthemでは低域をElementが担当し、中高域ではTRU•MICを中心にElementとのミックスを調整できる設計になっています。
🎤 なぜマイクとピエゾを組み合わせるの?
それぞれに違った長所があるからです。
一般的なアンダーサドル・ピエゾは、ステージでも扱いやすく、幅広く使われています。一方で、演奏方法やシステムによっては独特の硬さ、いわゆる「ピエゾっぽさ」を感じる場合があります。
マイクはギターの響きや空気感を捉えやすい反面、音量の大きなステージではフィードバックへの配慮が必要になります。
そこで、
ピックアップの安定感 + マイクの自然な響き
を組み合わせようという考え方が複合型のシステムです。
|
方式 |
メリット |
注意点 |
|---|---|---|
|
ピエゾ |
安定した収音、ステージで扱いやすい |
音色に独特の硬さを感じる場合がある |
|
マグネティック |
取り付けやすい製品があり、フィードバックにも比較的強い |
音色に磁気ピックアップ特有のキャラクターが加わる |
|
マイク |
ギターらしい響きや空気感を捉えやすい |
フィードバックへの配慮が必要 |
|
ピエゾ+マイク |
安定感と自然さを組み合わせられる |
構造・調整が複雑になり、価格も上がりやすい |
L.R.Baggsのマグネティックタイプについても、メーカーはMシリーズを「改造せずに装着でき、フィードバックに強い」方式として案内しています。
🎸 純正エレアコと後付け、結局どちらがいい?
これは用途とギター選びの優先順位次第です。
最初からエレアコ
「ライブでも使うことが決まっている」
「なるべくシンプルに使いたい」
「ギターとピックアップをセットで選びたい」
という方には分かりやすい選択です。
後付けピックアップ
「まずギターそのものの音や弾き心地で選びたい」
「すでに気に入っているアコギをライブでも使いたい」
「自分の好みに合わせてピックアップを選びたい」
という方には大きなメリットがあります。
後付けだから純正より上、純正だから後付けより優れている、という単純な関係ではありません。
🔧 後付けには加工が必要な場合も
ここは購入前に必ず確認しておきたいところです。
「後付け」といっても、すべての製品が簡単に自分で取り付けられるわけではありません。
サウンドホールへ装着するタイプのように比較的取り付けやすいものがある一方、アンダーサドル・ピエゾやエンドピンジャックなどを使用するシステムでは、ギター本体への加工や専門的な調整が必要になる場合があります。
例えばL.R.Baggs Anthemは、メーカー自身が専門家による取り付けが必要と案内しています。
取り付け方法によってはサドル周辺の状態が出力バランスに影響することもあるため、不安な場合は楽器店やリペアショップへ相談するのがおすすめです。
🎵 ピックアップを知ると、エレアコ選びも面白くなる
「エレアコ」と一言で呼んでいても、その中でどのようにギターの音を電気信号へ変えているのかはモデルによって違います。
ピエゾなのか。 マグネティックなのか。 マイクなのか。 それとも複数を組み合わせているのか。
ここまで見てみると、ギター選びの見方も少し変わってくるのではないでしょうか。😊
私自身も使用ギターにはL.R.Baggsの後付けシステムを選んでいますが、大切なのは「後付けだから良い」ということではなく、自分のギター・演奏スタイル・使用環境に合った方法を選ぶことです。
今度エレアコを見る機会があったら、ボディや木材だけでなく、
「このギター、どんなピックアップが入っているんだろう?」
とチェックしてみてください。
アコースティックギターの新しい面白さが見えてくるかもしれません。🎸✨
📖 音楽・楽器についての情報も更新しています
iB MUSIC STUDIO & Schoolでは、スタジオや音楽教室の情報だけでなく、ギターや音響機材について初心者の方にも楽しんでいただける記事を更新しています。
🌐 iB MUSIC STUDIO & School 公式サイト
https://ib-musicstudio.com
📱 LINEでのお問い合わせ
https://lin.ee/3UIkM10






この記事へのコメントはありません。