演奏会の開幕前。
舞台の上で一つの音が伸びると、弦楽器や管楽器が次々に音を重ねていきます。やがて音が静まり、いよいよ演奏の始まりです。
あの音合わせで、最初の音を出すことが多い楽器をご存じですか?
バイオリン? フルート? それともトランペット?
答えは、オーボエです。オーケストラでは一般に、オーボエの「ラ」を基準に音を合わせます。今日は、演奏が始まる前の小さな場面に隠れた音楽雑学をご紹介します。
🎶 まず、オーボエってどんな楽器?
黒い管に銀色のキイが並ぶ、木管楽器の仲間です。
クラリネットと似て見えますが、吹き口には違いがあります。クラリネットはマウスピースに1枚のリードを取り付けるのに対し、オーボエは2枚のリードを使う「ダブルリード」の楽器です。
見分けるときは、細い吹き口にも注目してみてください。
👂 聴こえやすさと、楽器のつくりが関係している
オーボエが音合わせを担う理由には、複数の説明があります。
一つは、明るく通りやすい音で、周囲の奏者が聴き取りやすいこと。ロックフォード交響楽団は、オーボエが初期のオーケストラから使われ、音合わせの役割が定着していった歴史も紹介しています。
もう一つは、音の高さを調整する仕組みです。
バイオリンは弦の張り具合を変えて調整できますが、オーボエはリードの状態などが関係し、基準となる音の高さをその場で大きく変えることが簡単ではありません。
ヤマハは、この調整のしにくさも、周囲の楽器がオーボエに合わせる理由として説明しています。
聴こえ方、楽器の構造、そして受け継がれてきた習慣。 小さな音合わせにも、いくつもの背景があるのですね。
🎵 「ド」から始めたくなるけれど、なぜ「ラ」?
ドレミの最初は「ド」。それなら、音合わせもドでよさそうに思えますよね。
ラが使われる理由として挙げられるのが、弦楽器との関係です。
オーケストラで使うバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスには、いずれもラの弦があります。そのため、共通の基準にしやすいのです。
音楽で「A」と書かれる音が、この「ラ」に当たります。
チューナーで見かける「A=440Hz」という表示は、基準のラが1秒間に440回振動する高さである、という意味です。
ただし、オーケストラによっては442Hzなど、少し高い基準を使うこともあります。ラという音名が同じでも、基準の高さがいつも同一とは限らないのです。
🎹 ピアノが加わる日は、どうするの?
ここで、もう一つ疑問が浮かびます。
ピアノは、舞台上ですぐに全体の音の高さを変えられる楽器ではありません。ピアノが加わる場合は、その音を基準に合わせることがあります。
オーボエがピアノのラを受け取り、ほかの奏者へ伝える役を担うこともあります。
また、弦楽器だけの編成なら、コンサートマスターが基準音を出すなど、編成に応じて方法も変わります。
✨ 次の演奏会では、最初の一音にも耳を傾けて
音合わせの時間は、これから一緒に演奏する人たちが、共通の音を確かめる時間でもあります。
次にオーケストラを聴く機会があったら、曲が始まる前にも少し注目してみませんか。
誰が最初に音を出すのか。その音を受けて、どんなふうに楽器が加わるのか。
一つの「ラ」を知るだけで、開演前の風景も少し違って見えるかもしれません。🎵
🎸 聴く楽しさを、音を出す楽しさへ。
山梨県甲斐市の iB MUSIC STUDIO & School では、個人から少人数向けのリハーサルスタジオをご利用いただけます。
好きな曲を弾く時間や、仲間と音を合わせる時間に、ぜひご活用ください。






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