何度も聴きたくなる曲には、派手な展開や複雑な演奏とはまた違った魅力があります。
今回取り上げるのは、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」。
2021年11月3日にDigital Singleとしてリリースされた楽曲で、現在もマカロニえんぴつを代表する楽曲のひとつとしてライブなどで演奏されています。公式サイトでも2026年のライブ作品やセットリストへの収録が確認できます。
一見すると、とても素直でシンプルに聴こえるこの曲。
では、なぜこれほど印象に残るのでしょうか?
今回はコード進行・メロディ・リズム・歌詞との関係から「なんでもないよ、」の魅力を分析してみます🎵
🎹 ポイント① コード進行が生み出す「温かさ」と「切なさ」
「なんでもないよ、」を聴いてまず感じるのが、楽曲全体を包む柔らかな響きです。
コード進行そのものが必要以上に主張するのではなく、歌のメロディを支えるように進んでいきます。
ここで注目したいのが、明るさだけでも、暗さだけでもない響き。
ポップスでは、同じ調の中でもメジャーコードとマイナーコードを組み合わせることで、明るい響きの中に少し切なさを感じさせることができます。
「なんでもないよ、」でも、この明暗の揺れが楽曲の大切な要素になっています。
ずっと悲しいわけではない。
でも、完全に明るいわけでもない。
この絶妙な感情の揺れが、楽曲の世界観とうまく重なっています。
🎤 ポイント② 「話しているようなメロディ」が印象を残す
もうひとつ特徴的なのが、ボーカルのメロディです。
Aメロ付近では、いきなり大きく盛り上げるのではなく、日常の会話をしているような自然な歌い回しから曲が進んでいきます。
音楽的に考えると、これはとても重要なポイント。
最初から高い音や大きな声を使ってしまうと、その後さらに盛り上げる余地が少なくなってしまいます。
低い位置から比較的落ち着いて始まり、曲が進むにつれてメロディの動きや声のエネルギーが増えていく。
そのため、後半の感情的な部分がより印象的に聴こえる構成になっています。
🎵 ポイント③ 音域の広さより「低音から高音への変化」に注目
歌の練習曲として考えても面白い楽曲です。
外部の楽曲分析データでは、「なんでもないよ、」のボーカル音域はA#2付近からA4付近とされています。
つまり約2オクターブ。
特に注目したいのは、単純に「最高音が高い」ということではなく、低い音域から始まる部分と、感情が高まる部分との差です。
低音部分では無理に声量を出しすぎず、言葉を自然に届ける。
そこから曲の展開に合わせて少しずつエネルギーを加えていく。
カラオケやボーカル練習では、最初から最後まで同じ声量で歌うのではなく、このダイナミクスの変化を意識すると楽曲の表情を作りやすくなります。
🥁 ポイント④ 派手にしすぎないアレンジが「歌」を前に出す
この曲では、楽器それぞれが前面に出続けるのではなく、ボーカルを中心に楽曲が組み立てられています。
ここで重要なのが**「弾かない・鳴らしすぎない」という考え方**です。
バンド演奏では、すべての楽器が常にたくさんの音を鳴らせば迫力が出るとは限りません。
音数を抑える場所があるからこそ、音が増えた瞬間が大きく感じられます。
「なんでもないよ、」をバンドでコピーするときにも、それぞれのフレーズだけでなく、
「この楽器は、なぜここで入ってくるのか?」
という視点で聴いてみると、アレンジの面白さが見えてきます。
✏️ ポイント⑤ 「なんでもない」という言葉が特別になる
そして、この曲で非常に印象的なのがタイトルです。
「なんでもないよ、」
それ自体は、日常でも使うごく普通の言葉です。
しかし、楽曲の中で繰り返されることで、その何気ない言葉にさまざまな感情が重なっていきます。
歌詞の意味だけを切り取るのではなく、どのコードの上で、どのメロディで、その言葉が歌われているのかまで聴いてみると、音楽ならではの表現が見えてきます。
同じ言葉でも、メロディやハーモニーが変われば受ける印象も変わる。
これは「歌詞+音楽」で作られる楽曲ならではの面白さです。
🎸 コピーするときは「正しく弾く」+「強弱」を意識
「なんでもないよ、」を練習するときは、コードやフレーズを覚えた後に曲全体の強弱にも注目してみましょう。
Aメロからすべて全力で演奏するのではなく、
抑える → 少し広げる → 盛り上げる
という流れを意識すると、曲全体に立体感が生まれます。
ギターならストロークの強さ、ボーカルなら声量や息の量、バンドなら各パートの音数。
こうした小さな変化が集まって、一曲の大きな流れを作っています。
🎧 シンプルな曲ほど「表現」の違いが見えてくる
「なんでもないよ、」の魅力は、複雑さだけで成立しているわけではありません。
自然なメロディ、感情の揺れを支えるハーモニー、抑揚を生み出すアレンジ、そして日常的な言葉。
それぞれがうまく重なることで、聴き手の耳に残る一曲になっています。
普段何気なく聴いている好きな曲も、
「なぜ、この部分で気持ちが動くんだろう?」
という視点で聴いてみると、コードやメロディ、アレンジにその理由が隠れているかもしれません。
ぜひ「なんでもないよ、」をもう一度じっくり聴きながら、楽曲を構成している音にも注目してみてください🎵
🎵 好きな曲を「演奏する側」から楽しんでみませんか?
iB MUSIC STUDIO & Schoolでは、年齢や経験を問わず、それぞれのペースで学べる音楽レッスンを開講しています。
好きな曲を弾いてみたい、歌をもっと楽しみたいという方も、音楽を聴くだけでなく「演奏する側」から楽しんでみませんか?






この記事へのコメントはありません。